遅ればせながら、映画『えんとつ町のプペル』見に行きましたよ。松井なりの感想を書いてみます。
大前提として僕はキンコン西野亮廣さん好きです。大好きです。ストーリー、ロジックや思想も結構理解している部類だと思います(サロンメンバーですし)。
でも書かされたようにいいことだけ書くのはつまらないですし、それは嘘になるので率直に分析や考察など書いてみますね。
僕と西野亮廣さんのとある縁
映画の論評の前に西野さんとのご縁の話を。
単純に僕が西野さんのファンではあるのですが、実は西野さんが思いっきり叩かれていたあの時代に、一つ記事を書いたんですよね。
内容としては大きなものに巻かれている芸人世界が気持ち悪くて、さらに西野さんの動きが全くおかしいとは思えず、松本人志さえも否定材料にして西野さんをフォローするような記事でした。
あ、これです。
https://matsuiakinori.com/bg/138
これを西野さんに見つけて頂いて、ツイッターか何かで拡散して頂いたんですよ。たまに著名人の方に拡散していただくことってあったのですが、拡散の数字が桁違いでしたね。強いファンが居ることを感じたことを覚えています。ウェブの仕事もしているものですからアクセス解析は得意です。
プペル熱はなかったが映画を見ないと答え合わせができないという強迫観念w
で、西野さんは好きは好きなんですが、『えんとつ町のプペル』に対しての熱量としてはあまり高くはありませんでした。要はものすごく見たい、という感情は湧き上がってこなかったと言うか。
子供も見れる映画ということもあり、ストーリーやクオリティが予想できちゃっていたんですよね。もちろんそれも西野さんは織り込んで作っていると思います。
それでもこうして映画館に足を運ばせたのは、西野さんが何度も何度も制作現場の裏側を見せ続けた結果だと思います。
「映画見ないと答え合わせできませんよ!」みたいな、ある意味サロンメンバーへの強迫です(笑)ちなみにサロンメンバーの鑑賞率どのくらいなのか興味がありますねぇ。
映画の内容はド直球のド直球
先程「ストーリーやクオリティが予想できちゃっていた」と書きましたが、実際に鑑賞してみてやはり想定外のことは起こりませんでした。西野さんが普段からのメッセージや思想をお腹いっぱいというか、ゲロ吐くほど受け取っていますからね。そういう人は絶対に想像できると思います。でも決して悪い意味ではありません。きちんとハラハラしてきちんと泣けます。良い映画です。ただド直球ということですね。
テクニカルに見ても、泣かせる部分は親子愛を使うというのはド直球のド直球という感じ。ちなみに新連載の漫画でスタートダッシュするためのテクニカルとしてはちょっとエッチなシーンを入れたりします。スラムダンク然り。うちの兄貴の漫画然り。
そういうテクニカル的にも王道中の王道を採用したな、という感じ。
#ここはド直球と言わんのかい
何度も言いますがド直球は悪くないんですよ。これから西野さんはディズニーを超えるためにたくさん映画を作ることになると思いますが、いつかド直球じゃないものも出してくると思います。でも一発目はド直球が良いという判断だったのでしょう。
エンディングテーマ『えんとつ町のプペル』を最高の脳内環境で聞けるのだ
さて、ここからが僕が一番書きたいことなのですが、お世辞なしに映画としての満足は100点でした。ここまで辛口っぽく書いたのに?と思われるかもしれませんが、その理由はロザリーナさんが歌うエンディングテーマ『えんとつ町のプペル』を最高の脳内環境で聞けるからなのです。
これ↓
西野さんには申し訳ないと言うか、むしろ狙っているのかもしれませんが、この映画はエンディングテーマを聞くための映画です(あえて断言)。映画の本編はお笑いで言う「フリ」です。ロザリーナさんが歌うエンディングテーマ『えんとつ町のプペル』で「オチる」のです。
そのくらいこの歌とロザリーナさんの歌声が素晴らしいんですよね。 LiSAもええけど、ロザリーナやで(三重弁)。西野さんも絶対に分かっているはず、この数分の歌だけであの二時間ほどの映画で伝えたいことは全部伝わることを!!!
ま、ともかく素晴らしすぎるこの歌を最高の状態で聞けるのが、この映画『えんとつ町のプペル』なんですよ。ちょっとひねくれた視点みたいに感じるかもしれませんが、本音はそう感じている人多いんじゃないですかね?
あ~、プップップペル~♪だけでワイン一本空けられるぜ。ロザリーナ大好き。かわいい。結婚したい。
「何者かになる」ということの価値
さて、最後にもうひと”ひねくれ”しようかなと思うのですが、この映画製作のストーリーや西野さんがずっと発信し続けてきたメッセージを踏まえて、これから何かを成し遂げようとしている若い人たちに伝えたいことがあるんです。
西野さんのメッセージは常に素晴らしいです。20代30代の「何者かになりたい世代」は特に影響されやすいと思います。若い世代でなくてもが、僕のような40代でも脱サラして起業するぞ!なんて環境の人は感化されるメッセージだと思います。
ただ西野さんはポジションを取っているんですよね。そうじゃないとメッセージが伝わりにくくなるからです。もちろん正しいことを仰っているし、リアルで価値がある言葉ばかりです。でもあなたの人生の本質はその一点からでは決して語れないのです。
例えば西野さんに感化されて「自分も何者かになりたい!」と強く思った人も多いはずです。それが人生のテーマなんだ、と。でもそれは大方の人にとって違う。何者かになる必要なんてないのです。人生に意味などないのです。僕らは宇宙の一瞬の塵やねん。
著名人のメッセージはどうしても資本主義が大前提のメッセージになります。逆説的に言えばそういうメッセージだから著名人になりやすいというわけです。
なんでこんな身も蓋もないことを言うかと言いますと、西野さんみたいな燃えたぎった業火のような情熱に焼かれて苦しむ人もいるわけです。何者かになりたい…何者かにならなくては…ああなれない…なれなかった…という人生は悲しいですよね。
「大丈夫。高いところが怖かったらハシゴなんて登る必要なんてないよ。」
10年後のルビッチはこう優しく言ってくれるはず。
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